新たな旅立ち

訃報


それは心の準備ができていない時に

突然に、前触れもなく急に舞い込んでくる



朝出勤してFAX受信トレイをみると

訃報の連絡が入っていた

みると得意先の所長であった



その得意先の人は

年齢 35歳

妻と3人の子供の父親でもある



若くして所長になった人で

男気に溢れた親分肌で

義理堅く人を惹きつける魅力を持った人であった


自分もその魅力に惹かれた1人で

酒も何度か飲みに行ったり

工場研修にも参加してもらったり

営業として在庫をおいてもらえるように

お願いして 最後には しょうがねーな、置いてけ!

と何かと無理を聞いていただいたりと

大変お世話になった人でもあった




その人が突然入院したのは今年の5月



そして7月のあるうだるような暑い日の午後に

お見舞いに伺った

病室に入って

いつも見慣れた身体つきとは異なり

すっかり痩せてしまった見違えた身体をみてびっくりしたのを思い出す


その時は夏休みの時であったらしく

奥さんと、小学生の女の子2人と

3歳の男の子が病室で

ゲームやら本を読んだりしてその人と病室で時を過ごしていた


痛々しい姿に多くの言葉をかけられず

最後に握手して、

元気に復帰して焼き肉をまた食べに行きましょう!と

約束して病室を後にした

結局それがその人との最期の別れとなってしまった



そしてまたお見舞いにそろそろ行こうかなと思っていた矢先

訃報が飛び込んできたのだ





通夜・告別式に出席

自宅にようやく帰ってきた

その人を前に合掌しご冥福を祈る

変わり果てたその姿に

涙がこぼれる


病名は 肺がんであった

若かった為転移が早く手がつけられなかったのであろう

苦しい闘病生活を送っていたことを思うと悲しみがまた湧いてきた


告別式での弔辞、ご遺族の挨拶には

涙が止まらなかった

夫を亡くした奥様の悲しみ、小学生の子供が涙する姿

そして何も状況をわかっておらず遊ぶ3歳の男の子

そしてこれからの生計

自分の中での、生前のその人との思い出 等が

心に深い絶望に近い悲しみとして溢れてきました

本当に辛く悲しい時間でした




永遠の別れ

その深い悲しみは時間しか解決できるものは

ないように思える

時間をかけてその人のことを思い出に

変えていくのだろう

その人の生前の生き様を思い出し

その人から学んだことを

自分の糧にしていくことが供養にもなる気がする


本当に多くのことを学ばせてもらいました

心からご冥福をお祈り致します



そして家に帰り

ふと 相田みつを のカレンダーに目をやると

今の状況に心に響く言葉が書かれていた


相田みつを  人間だもの

生きているうち


はたらけるうち


日のくれぬうち